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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

『僕の大事なコレクション』~アレックスのお祖父さん~

最近読んだ新聞記事で思い出した作品。
記事の内容は「琥珀の中にカマキリの化石発見」・・・映画を観た人はピンとくるかな?

アレックスのお祖父さん(以下、爺様)たちの家業は、ウクライナでユダヤ人相手のガイド。迫害から逃れるために米国へ渡ったユダヤ人たちの「自分のルーツ探し」のお手伝い。
爺様には誰にも言えない秘密がある。
秘密が何かは分からないけれど、旅が始まる前から何かあると観客は気づく。
作品の背景、爺様の記憶に残る映像から想像する・・・・私は逆の方を想像していました。

爺様の最期・・・・確か表情のアップからはいって・・・表情からは「安堵」というのを感じたので、爺様が亡くなったというのは直ぐにピンときたけれど、天からお迎えがきて夢を見ながら、夢の途中で時間が止まった気がしました(アニメ・フランダースの犬のネロっぽく)。なので、カメラがひいて自ら命を絶ったことがわかった時はショック。ショックなんだけど、これでいいという気持ちもチラホラ。言葉にできない複雑な気持ちです。

爺様の最期はここで止めてほしかった。アレックスが見つけるシーンは余計だ。もしくはアレックスと一緒に見つけたかった。「あれがいいんだ」という方がいたら聞いてみたい。喧嘩売ってるわけじゃなく、単純に自分と反対の解釈に興味があるだけ。「ここまでこたわる事か?」という方はそっとしておいて下さい。映画の観方は人それぞれですから。

ちょっと前からブームみたいに戦争体験者のドキュメンタリーの話題作が続いてる気がします。共通して感じたのは「生きていて申し訳ない」「伝えるために生かされている」「残り少ない時間」「本当の地獄は語れない」ということでしょうか。某作品で証言を拒否した元日本への言葉は、その後同年に観た『父親たちの星条旗』のオープニングで思い出しハッとした覚えがあります。
「語れない」には”語る言葉がない・伝えきれない”と”語りたくない・思い出すには勇気がいる”ということ。
この位で爺様に戻しましょう。

爺様も同様だっただろうと思うのです。
息子や孫には言わないけれど、死んだ仲間のルーツ(生きた証)を繋ぎ合わせるのは、時間を多く与えられた者の使命と感じてたんじゃないかしら。時間を多く与えらたとはいえ何時か止まる、残された時間が多くないことも知っている。そして、時間が止まった後の自分の居場所を考える・・・・ 自分の糸は自分で違う糸と繋いだ。

”トラキムブロド”へジョナサンを案内する事は天からのメッセージ。
ひまわり畑の中にある一軒家、老女が”止まった時間”の世界で仲間と暮らしている。
爺様は素(巣)に戻り、糸を繋ぎ直す。
盲目というのは、天(仲間)を見ることができないということ?
最期の爺様は真正面から見ていると思う。
太陽に顔をむけた”ひまわり”みたいだ。
私には繋げる糸がない。

ウクライナで”ひまわり”というと、S・ローレンとM・マストロヤンニ。
子供の頃の”ひまわり”は元気印の花だった。現在は背の高い”ひまわり”が頭をさげてると、涙をながしているようで好きな花ではない。種(命)の重さに耐えられなくて泣いているように思える。自分が責められてるように感じる。アレンジに使われる小さいひまわりは好きだけど。

知らない人は暗い話しの割りに、タイトルが軽いと思うかもしれない。
レンタル屋さんでパッケージを見て、これのことなのか??と思うかもしれない。
いいんです、そんなに深刻な物語ではありません。
几帳面なアメリカ青年と米国文化万歳ウクライナ青年と、盲目の運転手(勿論ホントは見えるよ)と盲導犬(何の訓練もうけてないよ)、へんてこキャラの集まりが小さいボロ車に乗って「自分探しの旅」をするロードムービー。時々”ぷっ”という可笑しさ、哀しい部分よりも前向きなラストの方に注目・・・私は邦題もパッケージも作品に合っていると思う。

【あらすじ】
ユダヤ系アメリカ人青年のジョナサン、趣味は”家族の物”の収集。彼は亡くなった祖父と見知らぬ女性が一緒に写っている古い写真をもとに、ウクライナの”トラキムブロド”を目指す。依頼したガイドはヘンテコ英語を話す通訳の青年アレックス、盲目と言い張る運転手は彼の祖父、吠える”盲導犬”サミー・デイヴィス・Jr.Jr. 小さい車にぎゅぎゅうとなって旅が恥じまる。
ここは美しい豊かな土地だけど、土の下には・・・
二人の青年は”トラキムブロド”で祖父達の過去を知る。

キネマ旬報のDBに入ってないのは何故だろう??


原題:EVERYTHING IS ILLUMINATED
監督:リーヴ・シュレイバー
出演:イライジャ・ウッド(ジョナサン)、ユージン・ハッツ(アレックス)、ボリス・レスキン(爺様)、他
(2005年・アメリカ)
by k-mia-f | 2008-04-20 03:05 | 映画