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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

『タンゴ・冬の終わりに』@りゅーとぴあ(10/23)

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【作】 清水邦夫
【演出】行定 勲
【出演】
 三上博史 倉科カナ 神野三鈴 
 岡田義徳 有福正志 有川マコト 小椋 毅
 河井青葉 青山美郷 三浦翔哉  梅沢昌代 
 ユースケ・サンタマリア 他



素敵な舞台でした。

オープニングは、舞台上に名作映画の1シーンが次々に映し出されます。
お芝居の舞台が廃館する映画館ということで、台詞に映画・舞台からの引用も多く、映画が娯楽の主役の時代の作品の名場面が次々と表れるのは、ちょっと寂しい雰囲気です。
ぱっと思い出せるのが、カサブランカ、ローマの休日、駅馬車(かなぁ)、第三の男、まだあったと思うのですが^^;
キスシーンだけ続いたのは『ニュー・シネマ・パラダイス』のラスとを思い出して、懐かしい気分になりました。

初めは客席からスクリーンを見ている気分だったのですが、字幕が逆になっていて、ここ(客席)はスクリーンを裏側なんだなと気づきました。
徐々にすスクリーンの向こう側に「映画館の館内のセット(客席)」が見えはじめ、三上さん演じる“盛”の姿が見えました。
このオープニング、す~っとお芝居の世界に入っていけて好きです。

セットは休憩後も変わらず。
暗転で小道具が増えたり、盛の幻想の世界(過去)が現れますが、土台は変わりません。

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引退した俳優“盛”(三上さん)と盛の妻”ぎん”(神野さん)二人の掛け合いが素晴らしかった。
台詞がとても聞き取りやすくて、小さな声でも早口でも、滑舌がよく抑揚があり、台詞が自然に耳の中に入ってくるように感じました。

長年故郷を離れていた盛が、俳優を引退し映画館を営む実家(弟・重夫の元)へ元へ帰ってきます。ぎんは夫の後を追ってきて、二人だけの挨拶、片手を挙げて「ほ」という二人だけの挨拶を交わすのが良いと思いました。
小さな田舎町で、二人だけが地域の人間でない”異質さ”を感じますし、精神を病んでいく盛と、盛の世界に付き合うぎんの別世界も感じます。

後に登場する”水尾”(倉科さん)も異質。
水尾を追ってきた、水尾の夫”連”(ユースケさん)に異質なものは感じません。ただ地域外の人というだけではなく“盛の世界に入っていいける”人だけが異質な気がします。

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水尾の登場も良かった。
盛の弟”重夫”’(岡田さん)と兄弟の叔母“はな”(梅沢さん)の、好きな映画を懐かしむ場面は観てて“ほっ”と一息つけます。映画好き・・・中でも劇場で観る事が好きな人には楽しい場面ではないかと^^
二人が映画について楽しそうに話すので、私も参加したい気分になり、寂しい気分にもなりました。
この数年、デジタル化の影響もあり多くの映画館が廃館になりましたから・・・・

重夫の「西部劇のお決まりで必ず白いドレスの女性が馬車から降りてくるという」という感じの台詞の直後、舞台後方の映画館の入り口から水尾が入ってきます。
赤い扉と、真っ白な衣装(靴も白)がぱっと目を引きます。
旅行バックが水色というのもいいですね。
冬の日本海側に白と水色は似合わない・・・というのが良いです。

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三上さんと神野さん台詞が素敵で、他の掛け合いが物足りないといいますが、力量の差を感じました。
例えば、倉科さん(水尾)と三上さんとか、岡田さん(重夫)と三上さんとか、神野さんと違って耳の中でつっかえる感じでバランスが悪いのです。
倉科さんとユースケさん、岡田さんとユースケさんは、力量が同じとうことなのかバランスの悪さは感じませんでした。正直、早口だと台詞が聞き取れないというストレス(特に岡田さん)はありましたが、許せる範囲でした。
ユースケさんんと岡田さんの「パンを巡る小さな争い」もほっと一息つける時間でした^^
倉科さんと神野さんは、バランスが悪さが逆に良かった気もします。
水尾の未熟な感じ、水尾は人気女優ですが、盛の為に自分を抑えているぎんの方が女優として上です。
取り乱さない”ぎん”が怖い。
”盛”がオセローの台詞を言いながら“水尾”の首を絞める場面があri

三上さんの舞台は観たいと思っても、対費用・時間を考えて他のキャストがイマイチだったり日程がイマイチだったりで迷うのです。今回も迷ったのですが新潟公演が決まっていたのでパルコまでいかなかったけど、三上さんと神野さんだけでも遠征価値があったかなって少し後悔。パルコの前列とりゅーとぴあの後列で観劇できたら・・・・なんてね(節制しないといけない状況なんですが^^;)

後半、盛の精神状態が益々酷くなっていく様子は目と耳が釘付けでした。
”盛”がオセローの台詞を言いながら“水尾”の首を絞める場面がありますが、“ぎん”はマクベス夫人の怖さがあるように感じます(狂気の前の)

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盛の幻想の「孔雀の剥製」の解釈ですが、盛の「終わりの美学の象徴」ということかなと思います。
美しい姿のまま永遠に残る、醜い姿を見せずに終わるということかなと。
姉の自殺も、遺体が生きているときよりも美しい 「最も美しい時」とうの気になりますし。
「盛」という名前も「生」とかけているのかと思います。
名前といえば、妻の「ぎん」という名前も、価値はあるけど金より劣るということ。
妻を姉と思い込むのも関係があるのかなと思うのですが、考えすぎでしょうか?

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「北国シネマ」のモデルと思われるのは新井映画劇場」か「新井松竹館」かと思うのですが、両館とも残っていません。
でも、こんな感じかなという映画館「高田世界館」があります。
最近、テレビで取り上げられたこともあり映画好きの間で話題になっている映画館です。
この映画館、新潟県内の映画館を紹介しているサイトに掲載されていないこと、私がテレビの無い生活をおくっていることから、先月のコミュニティシネマ会議まで知りませんでした。
ホントは交通費と移動時間を考えずに直ぐに訪れたいと思うのですが・・・・^^;
今日と明日、ちょうど映写室を含めた見学ツアーの日なんですよね。
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by k-mia-f | 2015-10-24 21:33 | 演劇