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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

『私の少女』~脱出~

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(あらすじ・公式HP)
海辺の小さな村。ソウルから女性警官のヨンナムが所長として赴任してくる。彼女はそこで、継父ヨンハから日常的に暴力を受けている少女ドヒと出会う。村の中では、ドヒに対する虐待が問題視されることはなく、誰もがヨンハの暴力を見て見ぬふりしていた。そんなヨンハにひとり立ち向かい、ドヒを守るために尽力するヨンナム。それでも状況はひどくなるばかりで、見かねたヨンナムはドヒを自宅で預かることに。ヨンナムとヨンハの対立が深まる中、ヨンハは偶然知ったヨンナムの秘密をネタに彼女の追い落としを画策する。<allcinemaより>


ペ・ドゥナとキム・セロンで期待が多きすぎたかも。
二人は期待通りでしたが(特にセロンちゃんが^^)突っ込みどころが多いのがちょっと・・・
他人に言われてやっと気付く私が、自力で気付くくらいですから問題です(世間の感想を読んだら気付かなかったのがまだあった)
文句ぶーぶー言いつつ、監督デビュー作なので大目にみて、セロンちゃん目当てにもう一回観に行く・・と思う。

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閉塞感漂う寂れた漁村が舞台。
一見ヨンナム(警官)を歓迎しているように見せて、村人全員で家族みたいで余所者には居辛い地域。
ドヒ(少女)の登場シーンだけで不穏な雰囲気で期待が膨らみます。

話が逸れますが、
ドヒが田んぼの中を真っ直ぐ走っていくの見て『トム・アット・ザ・ファーム』の冒頭、麦畑が続く一本道を走る車をカメラが追うシーンを思い出しました。このシーンの為に2回目を見に行ったようなもおです。アカペラのボーカルが不安をかき立てるんですよね・・・。


ドヒの「虐待の被害者」とは違う面が、ヨンナムの左遷理由の不祥事が絡んでくるのかなと、ドキドキしながら観ていたら肩透かし。
この不祥事が原因で、同期の(同窓だったかも)の警官にも調査が入ったとういう、何があったか知りたい。

彼女が同性愛者ということは理解した。
だから、その先を知りたいんだけど・・・・
まさか理由はそれだけ??

ただ同性愛者というだけで、左遷なんですか??
そりゃ、まぁ、嫌だなという人はいるだろうけど。
それだけでは犯罪ではないし好き嫌いだけで左遷とういのは、モヤモヤの不完全燃焼な気分です。


父親の暴力から逃げたドヒを、ヨンナムが自宅で長期間(夏休の間)を預かるというのもモヤモヤ。一泊なら理解できますが長期間親戚でもないのに預かるというのは不自然で、普通は施設に預けるのではと思いました。それでも、後で納得出来ると何かがあると思って見ていたのでモヤモヤの不完全燃焼。
納得できないけど、この間のドヒの様子の変化、人の温もりを知り、安心出来る場所があり、笑顔を見せて可愛い♪
ドヒの甘え方が母子や姉妹の様というより恋人の様に感じて怖い。
ヨンナムの元カノが訪ねてきた時なんて、泥沼の三角関係みたいだし、一緒にお風呂に入るのも誘ってる様にも見える。
このお風呂も、一回目はユニットバスのトイレを使用したくてノックしたのが始まりでしたが、二回目は当然という感じで入ってきました。
毎日一殴られ蹴られ傷だらけなのに海水浴にいくのは何か納得いかないけど、この浜でのドヒとヨンナムを見たら「お邪魔しました」と立ち去りたくなります(褒めています)
気になる「不自然」は気付かなかった事にして、事件の予感で期待大の流れです。



また話が逸れますが、
ドヒがヨンナムを助ける為に「被害者の演じた」シーンで(助けたとういより「自分がヨンナムから離れたくない」だけだったのかも)、『乙女の祈り』を思い出しました。あの二人もドヒと同じ年頃か?3~4歳上の設定かな?
子供が「夢の世界」に居続けるには残酷な方法しかないのかなと。
キャッチコピーの「愛のためにママを殺そう」(違っていても近いはず)が頭から離れないのです。

ネットをうろうろしていて、村人も警察も学校もドヒへの虐待を放置しているのは変というのを読みました。私も普通じゃないと思いますが、過疎化が進んだ狭い地域で、ヨンハに村が頼り切っていているので理解できます。不法滞在の労働者への虐待・少女への虐待を容認しているのも、昔からの慣習で躾の範囲内と考えているのではと思うのです。誤解のないよう念の為に申しますが、実際にこのような地域が韓国にはあると思っているのではなく、フィクションでこういう設定はありだなと思いました。同級生からのイジメは大人の背中を見ていれば当然。

保護者がいない自宅にドヒを返すのは変かなと思うのです。
母親が見つからなければ施設へ・・・なんて言ってるけど、地域外の人間(村外の警察?)が関わっていて、保護者がない自宅に戻すのは変じゃない?もしかして、画かれなかっただけで夜は施設で過ごしていたとして・・・モヤモヤ。

残されたドヒをヨンナムが引き取るのは“あり”だと思います。
村人は今までドヒが受けていた事を知らないふりをして、ヨンナムはドヒの行った事を知らないふりをする。
二人が一緒に村を出て行く様子に“ほっ”としました。
やっと息が出来る世界に逃げる事ができたんだなぁって。


自分お中で無理やり辻褄合わせようとしているなぁ。

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韓国映画で気になっていることが親族とのつながり。
『悪いやつら』で“遠~い”親戚で年上とわかった途端ガラリと態度が変わるのとか。
韓国の儒教について検索してみると、親・年長者は絶対だとか、色々あるけど韓国のものは何でも批判対象という人もいるので、どこまで信用していいのかわからない(かといって本格的に調べる気もない)
『トガニ』も気分が悪くなる虐待でした。就職するのに礼金が必要だとか・・・(一昔前はこうだったけど現在は違うのかもしれない)

韓国は同性愛者に対して差別が酷いといのもあったので、検索したら「同性愛者を差別しない国ランキング」があり、日本は韓国より上位だったけど大差ない気がしました。日本は差別うんぬんの前に感、関心が低いよね。


『私の少女』~脱出~_b0125384_187925.jpg
監督 チョン・ジュリ
製作年 2014年
製作国 韓国
上映時間 119分
by k-mia-f | 2015-08-02 18:29 | 映画