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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

『東海道四谷怪談』@新国立劇場中劇場

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作:鶴屋南北 
演出:森新太郎
上演台本:フジノサツコ
前半1時間50分「序幕・二幕」
後半1時間「三幕・四幕・大詰」
公式HP


歌舞伎以外でも上演・映画化されている人気作ですが、私は初お岩さんです。
それで観劇前に粗筋を確認したところ、かなり勘違いしておりました^^;
小さい勘違いは置いておいて、大きい勘違いでは“お岩さん”の顔の傷は火傷だと、町人の奥さん(又は妾)だと思っていました。
昔は『仮名手本忠臣蔵』と1セット(交互)に上演されていたとのこと。
それも粗筋等を読んでみると成るほど設定がかぶっています。
“四谷”を地名だと思ってました 恥ずかし~~^^;



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(四谷怪談仕様のマスコットは人気者)
(見えないけど足の裏は“♪”です)
(機種変した携帯で光度調整がわかりません^^;)




森さんの演出は『エドワード二世』※を観劇し概ね満足で、若い演出家さんなので次の作品も気になっていました。『ビッグ・フェラー』の新潟公演を観劇し、とても良いと感じたので、私には翻訳作品のイメージしか無かった森さんの日本の古典を演出すること※、秋山さんがお岩さんを演じるということ、広~い新国立中劇場を上から観てみたいということもあり、無職なのに奮発して1Fと2Fで2回遠征。
1回目の2F1列目は手摺がちょっと邪魔で目と頭が疲れてしまい、アフタートークは参加せず早めに三軒茶屋に向かい休みました(19:00からは『敦』でした)
実際観劇してみての感想は、正直いうと物足りないと感じた点がありましたが2回遠征の価値があった舞台でした♪

※2013.10 新国立劇場小劇場での公演
※私が今迄知らなかっただけで、実際には過去に2回『東海道四谷怪談』の演出をされいています。


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(後ろ姿はこんな感じ♪)



大きな舞台の中央に白布と白壁だけのセット、その周囲は真っ暗で『エドワード二世』の“黄金の茶室”セットよりもシンプル
これは結構私好み^^♪


上手から黒子が登場して大きな白布を広げ、奥から伊藤家皆様縦1列で登場します。
この登場場面の音楽が昔の大作映画みたいなドラマティックな感じで、『アラビアのロレンス』の序章を連想しました(あくまで私の場合)
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(←公演時に展示されていた模型)
(「黄金の茶室」は私が勝手に名付けただけです^^;)



台詞は歌舞伎調(南北の言葉)を多く残していて、所々聞き取りにくい台詞がありましたが物語の流れで十分伝わるので私はOKなんですが、時々言葉のバランスが悪ように感じたのがちょっと・・・。全てではなくて時々感じたことなので・・・何故だろう?役者さんの力量の差でしょうか??


役者の力量というと(偉そうなこと言える立場ではないのですが他の言葉が思いつかない^^;)、お岩以外は男性が女形を演じていて、有薗さん演じるお梅は客席の笑いを誘う可愛らしさ(^^;)でお上手でしたが、陣内さん演じるお袖は見た目は可愛らしいけれど中身は男性でした(きっぱり)。お岩を他の女性と差別化・際立たせること(怨念)が演出意図のようですが※ これなら全員普通に女性が演じた方が良かったように思います。
1人だけだったので勿体無いな・・・
歌舞伎の女形のようにはいかないのは他の役者さんも同様ですが、他の方は“女性を演じている”と聴こえました。


**********


前半の最後の方、喜兵衛とお梅を殺めてから舞台の前方が徐々に下がって行き、遺体が滑り落ちて行く様子が大きな舞台ならではで綺麗だと感じました。その大きく穴の開いた状態(溝)のままで後半に入り、川として使われるのも良いと思います。
遺体が流れていった川で伊右衛門が呑気に釣をしているってこととか、”魚が登場するとやってみたくなる小芝居”で笑いを誘い、その後戸板に打ちつけられた遺体が登場するとういう流れ私好み。


夢の場面も怖くで綺麗でした。


後方から大きな壁が川(溝)に向かって迫ってくるところが行き場が無い切羽詰まった感があり、その壁の中央に戸板がはめ込まれたようになっていて、くるっと回って交互に打ち付けて流されたお岩と小平の遺体が登場します(戸板返)。夢の場面では横一列戸板を外したようになり明るい光の中浪人になる前の伊右衛門とお岩が登場、後に照明が赤くなり炎も表れ影絵となった二人が徐々に遠くになっていくのが幻想的で、奥行きと高さを生かした演出だなと感じました。



勿体無いのが、演出意図が分からない狙いすぎた音楽とスカスカの雪。


毒薬で醜くなったお岩が身支度する場面(髪梳きの場)と、伊右衛門が捕手に追い詰められる場面でピアノ曲「乙女の祈り」が流れます。

1回目の観劇では意表をつかれてポカンとなり面白いと感じましたが、2回目はピアノ曲を使うにしてもこれはちょっと・・・という感想に変わりました。もしピアノ曲を使用するにも最後に1回だけでよかったのではないかと思います。

私の勘違いでなければ、ピアノ曲以外にもパーカッションがドラマティックな感じとアフリカンな感じと雰囲気の違う曲が使用されていて「乙女の祈り」も色々使用された音楽の1つに感じ(要は種類が多過ぎる)、何か際立つことなくバランスが悪いとうう違和感だけが残った気がします。この曲を使用したのか演出意図が分かれば違う感想になるかも思い検索してみたけれど分からす(「乙女の祈り」の理由をご存知の方がいらっしゃったら教えてくださいm(__)m)

捕物・仇討ちでの雪は珍しくも無い上に黒い床が見える小雪、そこに大鼠がうごめいても※目立ちません(きっぱり)ついでに大鼠が大オタマジャクシに見えました。
広い劇場で雪がたっぷりだったら綺麗だろうな・・・勿体無い





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あれもこれも駄目と書きましたが、全体としては湿っぽくなくて、尖った感じで、今後の期待も含めて概ね満足な舞台でした。
木下歌舞伎を新国立でやってみたらと思っちゃいましたけどね。
尖り具合は木下歌舞伎、美しさではコクーン歌舞伎・・・と満足といっておいて毒を吐く


12月の国立劇場が高麗屋さんで『東海道四谷怪談』
観にいきたいけど・・・・舞台より悩まなければいけないことがある。
まだ有給消化中ということもあり求職活動する気が出ず(それでもやっと前の職場を気にしなくなってきた)6月は好きなことして過ごすと宣言はしたが、ホントにのんびりし過ぎだと思う。

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(お江戸っぽくホワイエに登場したお茶屋さん)
(見本のお団子より小さいって言ってはいけないのはわかっているが^^;)







書いているうちに思い出したのですが『エドワード二世』でも似たよな感想だった気がします。
ギャビストンがミスキャスト(きっぱり)
若い国王が寵愛するような人物には全く見えず、サンバシーンには失笑(私はね)

ご本人とファンの方には申し訳ないですが、ギャビストンはもう少し見目麗しい方に演じてほしかった。
サンバをやりかった為の配役なのか、それとも配役からサンバが産まれたのか??
(どっちにしても、セットでサンバが登場しないくてメデタシメデタシになっていたと思う)
これも全体としては楽しめたので、勿体無い舞台でした。
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by k-mia-f | 2015-06-23 17:29 | 演劇