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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

『イノセントガーデン』~血族~

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公式HP】←これから映画をご覧になる方は見ないほうがいいかも。
【あらすじ】
大きな屋敷に暮らす少女インディア・ストーカー。誕生日には毎年、広大な庭のどこかに父からの靴のプレゼントが隠されていた。ところが18歳を迎えたこの日、彼女が見つけた箱の中には、謎めいた鍵が1つ入っているだけだった。時を同じくして贈り主であるはずの最愛の父が、不審な事故で突然の死を迎えた。こうして、決して心を通わせたことのない母エヴィと2人きりになってしまったインディア。ところが葬儀の日、長年行方不明だった叔父のチャーリーが姿を現わし、そのままインディアたちと一緒に暮らし始める。そしていつしか、知的でエレガントなチャーリーの魅力に心奪われてゆくインディアだったが…<allcinema>


幻想的で意味深なオープニングで一気に作品の世界に引き込まれ、
大きな音を出して扇ぐ黒い扇によって靄がかかった世界がバッサり切られます。
(場面転換の流れが綺麗だなと感じました。)

インディアの過敏なところが、大きな扇ぐ音やこの後の卵が割れる音とかで表現されていて、不気味というか不安を煽るというか、何か悪いことが起こる予感がします。梅雨明け前(だよね?)湿気でべたべたしたいやな感じというか、何かがまとわりついている気分。作品に登場する虫はそういう意味もあるのかな?
インディアの感覚、動揺が自分にも移ったようで、まるでボートの上で揺られているような気がしてきました。
残虐なシーンもありますが、切り取って飾りたい美しいシーンが多く、媚薬に酔ったみたいに始終うっとり。

母の髪をとかすシーンから草むら(狩場)のシーンへの転換は催眠術のよう。
広いお庭に吊るされた鳥篭のような物も素敵。

インディアが自分の本質に気付くシーンの表情、
なんといっても官能的なピアノの連弾、
チャーリーの手によって大人の靴へ履き替えるときの素足・・・

インディアの誕生日プレゼントは、毎年靴が贈られます。
連続して靴が映し出されますが、サイズが少しづつ大きくなっていくことで、説明が無くても毎年同じデザインの靴(サドルシューズ)が贈られていることがわかります。



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森の中の小鳥の巣から巣立ちとういう印象を受けましたが、邦題を意識すると屋敷と庭全体が外界から隔離された、卵の中のような気もします。インディアの服装や屋敷の概観や装飾がクラシックな雰囲気でこの空間だけ時間が止まっているようにも感じるし。庭の秘密の上の球体(石)もガチャガチャのようにも見えて秘密が二重覆われているようにもとれるかなと。
この邦題はネタバレなしで内容と雰囲気に合って良いです。

インディアガメトロノームのよに手足を大きく動かす奇妙な動きに、卵の殻を破ろうともがいてる雛をイメージしましたが、後でこの動きの意味にうなります。

インディアと母親は「母娘」というより一人の男を取り合うライバル同士。
父(夫)を取り合い、死後は叔父(義弟)を取り合う関係は、ストーカー家の悲劇の3兄弟の関係に似ていて、インディアとチャーリーの本質が同じであることが台詞無しで伝わります。
終盤、まるで「母親のような台詞」を言いますが、真意は女の意地をかけて体当たり勝負ということでしょう(きっぱり!)


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誕生日に贈られた鍵により、インディアは自分の中で封印されていたものを解き放ちます。

解き放つまでのインディアの服装は禁欲的で今時の高校生にしては幼く、立ち振る舞いや会話にも固いものがありました。解き放たれてからの服装や立ち振る舞いは艶っぽいというと大袈裟な気もしますが“女”になっていて、卵の殻を破ったというのがピッタリな気がします。


ラストはオープニングに戻ります。
謎が解けた後に同じ映像を観ると違った印象を受けます。
真夏の真昼のドライブでトンネルを抜けた時にちょっと似てる(伝わるが不安)



インディアの父がいつ頃娘の本質に気付いたのか?
隔離されていたチャーリーが何故てインディアの本質を見抜けたのか?
他にも幾つか分からない点がありますが、大した問題じゃなないです(きっぱり)

台詞よりも表情や行動で表現されていて私好みの作品でした。
場面転換の流れが綺麗なのも気に入ってます。
確かめたいところがあるのでリピートしたいけど観にいけるかなぁ・・・

(7/27追記)
この作品で使われた緑色が気になっていたんですが、HPを見ると黄色の方がに意味があるみたい。
インディアのワンピースの“淡い黄色”は純粋無垢を表す色なんですって(知らなかった)
プレゼントのリボン、黄色い傘、花瓶の内側、黄色い鉛筆・・・言われてみれば確かに印象に残る黄色が多いきがします。
インディアの“緑”の目が気になって、これって「嫉妬は緑色の目をした怪物」ということなのかと思ったのですが、私の考えすぎのようです。


原題:STOKER
監督:パク・チャヌク
製作年:2012年
製作国:アメリカ
配給:20世紀フォックス映画
上映時間 :99分
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by k-mia-f | 2013-07-26 22:05 | 映画