ブログトップ

ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

『声をかくす人』〜生贄〜

b0125384_2192682.jpg

公式HP
【あらすじ】
南北戦争の終結間もない1865年。リンカーン大統領が南軍の残党によって暗殺される。主犯のジョン・ウィルクス・ブースは逃亡中に射殺され、さらに7人の男と1人の女が共犯として逮捕される。女の名前はメアリー・サラット。下宿屋を営みながら2人の子どもを育てる未亡人だった。元北軍大尉のフレデリック・エイキンは、元司法長官のジョンソン上院議員から彼女の弁護を頼まれる。犯人への憎しみを抱きながらも、渋々弁護を引き受けたフレデリックだったが、被告が民間人にもかかわらず、一般の法廷ではなく軍法会議にかけられることに違和感を覚える。そんな中、毅然と無罪を主張しながらも、それ以外のことは黙して語らないメアリーに戸惑うフレデリック。しかし、審理が進むにつれ彼女の無実を確信、弁護に力が入る。するとフレデリックへの風当たりも強くなり、いつしか四面楚歌の状況に追い込まれるが…。<allcinema>



“声を隠す”とうのは、メアリーが息子を庇っていること意味していると思っていましたが、隠しているのはメアリーだけではありませんでした。
鑑賞前は邦題を気にしていなくて、黙秘と同様の意味と思っていましたが違っていました。観終わって上手い邦題を考えたなと思います。
(12/23追記)
(原題をそのまま訳すと共謀者です。“共謀”には“検事と証人”も含まれていると思います。)


証人も真実を語っているわけでなく、検察も、裁判官も、聖職者も、何かを隠しています。
メアリーの弁護を担当した弁護士フレデリック以外にも今回の裁判に不審をを感じていいる人はいるのですが政府に潰されてしまいます。
この裁判では法廷=政府で、北軍の南軍への報復です。
判決は最初から“政府”が決めていて、判決に合わせた証言を用意したもの。
特に、酒場の主人の証言のシーンには“裏取引があります”というのが露骨にわかります。

不公平な裁判を腹立たしく観ていまいたが、途中から悔しいと感じました。
政府は国の礎の為に、メアリーを国民に生贄として捧げたのだと思います。
「誰かが責任をとらねばいけない」というのは「誰でもいいから責任とらせなければいけない」
なんですね。

いくら息子でも、命をかけて守ることができるものだろうか?
息子が有罪なのを知っていて庇っているのが気になりました。
こういうのって、やっぱり子供がいないとわからないんだろうか?
メアリーは無実を訴えますが、誘拐計画を知っていたのだから無実とは言えないと思います。
だからといって、暗殺に関わった証拠がないのに(検察に有罪になる証言を作られた)死刑判決は重すぎると思いますが。


実行犯の男たちが絞首台で震えているのに対し、メアリーが真っ直ぐ前を見据えていて、最後まで毅然とした態度が印象的でした。
ここで拘留中のメアリーの台詞「祈りは無駄」を思い出しました。
絞首台に向かうメアリーの表情には息子を守ったという達成感のようなものを感じ、絞首台の上では神に義務を果たしたこと、やり抜くことができたことを感謝しているように見えました。
後ろで縛られた手には十字架があり「祈りは無駄」とはどういう意味だったのだろうと、言葉通りに受けてよかったのかと気になり、それが理由で再観しましたが感想がまとまってません。
まとまってはいないけど、ちらりと思ったのが
「祈り」=無罪 ではなく
「祈り」=息子への愛情 だったのかなと・・・はっきり書くと息子の育て方を間違えた。

「あなたの方がよい息子でした」
メアリーの絞首刑後に逮捕された息子・ジョンがフレデリックに対して言った台詞です。
私も、メアリーの十字架を持つに相応しいのはフレデリックだと思います。

メアリーに共感はできないけど、演じたロビン・ライトは表情で語る好演でした。


(12/22追記)
「祈りは無駄」についてですが、南部寄りの上院議員に弁護を依頼したのに実際に担当するのは北部の人間だったことで絶望したのではと思いました。裁判官と検事と弁護士が自分の敵で死刑を免れるわけがない。言葉通りの意味とはこういうことです。

メアリーの裁判で実行犯が同席していた理由がわかりません。実行犯が法廷で発言することはなかったし、メアリーが共犯と証言したんだろうか?実行犯達の裁判については一切なかったけど彼らには弁護士がついていたんだろうか?

メアリーに共感できないのは、娘・アンナのことが気がかりだから。娘のことを気にかけているのは観ていてわかったけど、それでも差がありすぎると感じるのは私のは僻みかもしれません。



原題 THE CONSPIRATOR
監督 ロバート・レッドフォード
製作年 2011年
製作国 アメリカ
配給 ショウゲート
上映時間 122分
[PR]
by k-mia-f | 2012-12-22 21:56 | 映画