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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

『其礼成心中』@パルコ劇場(8/16)

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なかなか面白かったです。
物語は大したことないんですが(元々期待してなかったしね^^;)、演出が面白かった♪

舞台は定式幕がはられていて、開演15分程前にお囃子が始まりました。
お囃子が終わると通常の観劇の注意点のアナウンスが入りましたが、それとは別に開演前に、黒衣姿の三谷さんが“三谷さんの表情をしたツメ人形”を持って舞台(定式幕の前)に登場して、再度注意と観客いじりで笑わせてくださいました。


上手から定式幕が開くところまでは、本公演と一緒ですが“とざいと~ざい”はありません。
舞台上の両端、人形出入口には小幕がありますが紋が違っていて、丸の中に“パルコ”と、丸の中に下向三角が三つ重なっていて“ミタニ”とあるもの。

三味線と太夫は舞台の上部、床が回転する代わりに横に移動して交代します。
人形遣いは全員黒衣姿で、主遣いは舞台下駄を履いていません。主遣いが顔を見せないのはいいとして(個人的にはどっちでもいい)、舞台下駄を履いていないのは何故だろう?足遣いが大変そうだけど、前列の座席の方への配慮でしょうか(船底じゃないから)?

本公演では足元を隠しますが、堂々と見せる演出がありました。
すみません、どの場か覚えていないのですが、手摺(人形の足の位置部分)にロープ(?)を張っただけの場があって人形を初めて見る方も多かったでしょうから、3人で遣う様子がわかりやすくて良かったと思います。

カタカタ言葉が意外と違和感がないのが驚きです。
それと、鑑賞前に読んだインタビューで「人形に性根を入れるのではなく、人形に演技をさせる」というのがあって、どういうことだろうと思っていたんですが観て納得しました。人形の動き(ずるっコケルのとか)や家の傾き方とか閑古鳥とかドリフのコントみたいで懐かしかったです。ミラーボールが使われたり、人形が泳ぐのを見たのは初めてな気がします。

茂山千五郎家の新作狂言みたいだなと思いました。
狂言だと一つの“家”の中にも色々“会”があるので、文楽にも色々“会”があってもいいような気がします
(“会”を別の言い方すると“ジャンル”とか“シリーズ”とかでしょうかね?ボキャ貧ですみません。)
「やり過ぎでは?」思うところもありましたが、本公演とは別にこういうのがあってもいいかなと思います。
本公演で『テンペスト』をやるよりは断然良いと思います。

「新作文楽」とか「三谷文楽」というより
「人形浄瑠パルコ座旗揚公演」の方が合うかな。
古典芸能という感じではないです。最後にカテコがありましたが、本公演なら驚くけど今回はコレが普通に感じます。カテコでは人形遣いの皆様も顔出しで、手にしてる人形と一緒にご挨拶。ぎこちない感じが初々しい^^

パンフはA6サイズで床本(台本)付き2000円也。ちょっといいお値段だけど^^;床本目当てで購入。
by k-mia-f | 2012-08-18 23:27 | 文楽