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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

第13回よこはま「万作・萬斎の会」@横浜能楽堂(5/6)

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“よこはまの会”は久々の2回目。
知っている限りで、万作さんのお話を伺える狂言会はここだけ。

GW中の遠征は費用面がキツイけど、大好きな『宗論』と「狂言芸話」目当てでお出かけしました♪



『清水(しみず)』~小名狂言~
太郎冠者/野村萬斎
主/石田幸雄


太郎冠者の肩衣は菖蒲。今年は桜が遅かったので“うっかり”してましたけど菖蒲の季節なんですよね(その前に藤とツツジですけど)。
ところで狂言の方ですが、鬼に化けた(簡単にバレるけど)太郎冠者から主人への要求が小さいのが可愛いです。蚊帳をつれとか、酒をのませろとか^^


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『宗論(しゅうろん)』~出家狂言~
浄土僧/野村万作
法華僧/深田博治
宿屋/内藤連


『宗論』は何度が観ていますが、一番楽しかったのは茂山千之丞さんの浄土僧と山本東次郎さんの法華僧の組み合わせ。同じ大蔵流も芸風が真逆で、その違いが柔らかい浄土僧と硬い法華僧にぴったりでした。『宗論』を観ていると、どうしても思い出してしまいます。比べてどうこうというわけでないのです。鑑賞中の頭の中では「やっぱり『宗論』は面白いなぁ」と「あの『宗論』は面白かったなぁ」があります。
『宗論』の結末を観ると、現実のこんなふうに宗教対立がなくなったらいいなって、大本の“神様”は一緒じゃなのって思います。


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『田植(たうえ)』~替間狂言~
神主/野村萬斎
早乙女/高野和憲、中村修一、村井一之、内藤連、岡聡史


能『賀茂』の間狂言で、独立して演じるのは和泉流だけのようです(狂言鑑賞201番より)。
神田の田植えを行うために、神主は氏子・早乙女たちを呼び出します。神主が作業の指示を出し、早乙女たちが田植えを行います。
横浜能楽堂の柱は他の能舞台と比べて細い気がします。鏡板の松も”ほっそり”で一緒に梅も描かれていて女性的なイメージ(見た目だけね)。早乙女たちの雰囲気に合う能舞台での初鑑賞で嬉しい。


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狂言芸話

この会での楽しみは万作さんのお話「狂言芸話」です。
ホントは毎年観に行きたいのですが・・・

この度の叙勲については触れませんでしたが、今迄に影響を受けた能楽師の方々についてのお話でしたので叙勲の感謝の意味も含んでるのかなぁって思いました。

『薩摩守(さつまのかみ)』の台詞「旅は道連れ世は情け・・」を例えに出して、今まで大勢の方々の助けを借りてここまできたというような、今までの狂言人生を表してるというようなことを仰ってました。
能はなかなか機会がなくて、流派の違い全く解りませんが^^;、写実的な家と様式美を追及する家では同じように演じた“間狂言”の評価が変わるというようなこと仰ってました。
褒められて嬉しかった間狂言も、違う流派だったら褒められなかっただろう・・・ということとか(自分のメモで“合う、合わない”と書いてるのはそういうことだと思うのですが^^;)

万作さんが鑑能で初めて涙したのは、観世華雪さんの『安宅(あたか)』の弁慶だそうです。
戦後5~6年の頃で、当時は歌舞伎贔屓だったそうで、歌舞伎の『勧進帳』のイメージとはかなり異なっていて、強いだけでなく優しさを感じる弁慶だった・・・というようなことを仰ってたような。
靴下で申し合わせ(!)を行ったという型破りな能楽師の方とか、某歌舞伎の家に傘を貸したら白粉だらけで返ってきたとか、面白かったです^^

一番興味深いお話は、先代・山本東次郎さんとの共演。万作さんの初めての異流共演だったとのこと。当時は山本家と茂山家は同流でも交流がなかったとか(そうだろうななぁ・・・と思います)、異流でも「江戸の基盤(だったかな^^?)」で気が合ったとか。
私の初狂言は茂山家千五郎家、次が野村万作家、その次に山本東次郎家です。偶然ですが、うまく柔らかい(入りやすい)家から順番に鑑賞したことになります。色々な家の狂言を鑑賞したいと思いますが、今のところ一番好みに合うのは万作家です。柔らかすぎず硬すぎず丁度いいかなって。
by k-mia-f | 2012-05-09 19:35 | 能楽