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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

『血の婚礼』@りゅーとぴあ劇場(8/7)

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大規模修繕劇団旗揚げ公演

作/清水邦夫
演出/蜷川幸雄
出演/
 窪塚洋介(北の兄=倒れる青年)
 中嶋朋子(北の女=ふね)
 丸山智己(ハルキ)
 田島優成(トランシーバー少年)
 近藤公園(北の弟)
 青山達三(喪服男=先生)
 高橋和也(兄さん)
 伊藤蘭(姉さん)
 ほか





【あらすじ:公式HPより】
夏。コインランドリーとビデオショップに囲まれ、点在する自動販売機が白々と灯りをともす路地裏。降りしきる雨の中を鼓笛隊が通り過ぎて行く―。

 壊れたトランシーバーで〝どこか〟と交信を続ける【トランシーバー少年/田島優成】は水溜りに倒れこんだ【北の兄/窪塚洋介】と出会い、奇妙な友情を結んでいく。【北の兄】は二年前に【北の女/中嶋朋子】を結婚式場から奪い故郷を捨て上京したのだが、今や二人の愛は冷めてしまっているようだ。コインランドリーの店先。煙草をふかしながら【姉さん/伊藤蘭】が路地の人々をみつめている。その傍らには、腐れ縁の【兄さん/高橋和也】の姿が。ユーモラスでありながら、どこか悲哀のある男女の会話が続く。自殺した妻の葬儀から抜け出してきた【喪服の男/青山達三】を心配して追いかけてくる教え子たち。その騒ぎに路地の住人たちが顔を出したその時、幻の警報が鳴り響き、幻の電車が通過していく・・・。呆然と佇む人々の前を、雨にうたれながら鼓笛隊が通り過ぎた―。兄想いの【北の弟/近藤公園】に引き連れられて、花嫁に逃げられた【ハルキ/丸山智己】や親族たちが訪ねてくる。かつて、親友だった【北の兄】と【ハルキ】。【姉さん】をはじめ、路地の住人たちを巻き込み、三人は再会を果たすのだった。降り続ける雨と突然の停電が、人々の内に潜む野生を目覚めさせ、そして―。



セットはコインランドリー(洗濯物が飛び出している)とレンタルビデオ店(棚は荒らされたような散らかり)が隣接している路地裏。
ボロイ自販機と電柱とネオン。“お父さん”鯉のぼりが2匹、古い看板、乗り散らかした三輪車(多分、二輪ではなかったと思う)など、煩雑とうか猥雑というか、ちょっと嫌な臭いがしそう(トイレと醤油の臭いが混ざったような)。

最初に気になったのが舞台と客席を遮断する「立入禁止」の黄色いテープの×(バツ)。
“舞台の上”でなく“舞台の外”から舞台全体を覆うようには張られていて、結界みたい。

客席の2列目まで雨よけのビニールか配られる。
舞台にバケツを持ったスタッフの方が現れ、水を撒く。
裏方さんの打ち合わせ(?)の声が聞こえる。
裏方さんを見せるのも演出の一部なのかしら?
それとも、×テープで緞帳使えないから仕方ないだけ?
(正直、どっちでもいいけど・・・)

開演後、この×テープが”はらり”と下に落ち、終演時“するする”と上がり元の遮断状態へ戻ります。
実は、どのタイミングで落ちたか思い出せない。開演直後か、鼓笛隊登場時か、トランシーバー少年の最初の交信後か、“北の兄”が雨に滑って転んだ辺りだったか、この落ちたタイミングで張られたテープの意味が違ってくるような気がします。すみません。


本水を使用する雨の演出には驚きました。11列目での観劇でしたが水の匂いがします。排水処理はどうやってるんだろう??
この土砂降りの雨の中では仕方ないのかもしれませんが(それだけが理由とは思えないけど)、トランシーバー少年の台詞が聞き取れない。困ったな、導入部から??だ^^;


90分の土砂降り( 公式HPより)の後、雨が上がると停電の設定。ここから蝋燭(本物かな?)を照明にお芝居が続きます。この辺りから眠気が・・・ だって暗すぎ(朝風呂に長くつかりすぎたのと、駐車場が遠くて猛暑の中歩き疲れたかも^^;)
ここをちゃんと観ていたら頭の中のバラバラになっていたものが合致したのかも。
パンフを読めば書いてあるのかもしれませんが、今回は購入してないのでわかりません。

“蝋燭芝居”は上演予定時間から計算すると10分くらい。
以前、RNS『ハムレット』劇場版(凱旋公演)でも感じたことと同様。暗い演出はいいのですが、暗すぎて“りゅーとぴあ劇場”の大きさには合わないと思います。今回の暗さは、400~500席が楽しめる限界かなと思います。(実際に2F、3F、バルコニー席で観劇した方の感想をきいたわけではないのですが)


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(注) 以下の ↓ 「」の台詞はうろ覚えです。

×テープから“結界”を連想したのは観劇日も関係しているかもしれません。
セシウム汚染、原爆の日式典のニュース、長岡の花火大会、公演日の夜は新潟の花火大会、観劇していて“戦争” “死” ”敗北” などを連想しました。
(長岡花火は長岡空襲の復興を願ってはじまったとのことですが、花火の音で空襲を思い出すから嫌だというお年寄りの話をきいてから、ちょっと考えてしまうようになりました。花火に反対してるわけではありまえん。念のため。花火は綺麗だなと思うし。)


でも、これだと姉さんの「血を流して死ぬほうが、血を腐らせて生きるよりまし」と繋がらない(北の兄と繋がらない)。
この台詞で連想したのは映画『誰がために鐘は鳴る』のゲリラ戦。
戯曲がフェデリコ・ガルシア・ロルカ作『血の婚礼』からインスパイアされたものだからだと思いますがが、同じ戦争でも、観劇で私が連想したのは兵士ではなく、特別な思想や兵器を待たない一般市民です。(ロルカはスペイン内戦時に銃殺)


雨の中の鼓笛隊、コインランドリーの腐れ縁な男女、妻が自殺した喪服の男性教諭、これらが北の兄たちとどう関係があるのかイマイチよくわからない。最後はまとまると思っていたけど、私的にはバラバラのままで終わってしまいました。蝋燭芝居での眠気が・・・(悔)。


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トランシーバー少年は、壊れたトランシーバーで誰と交信していたのか?
路地裏の出来事を報告していたようですが、これの意味は?



鼓笛隊の行進の意味は?
首から下げた小太鼓を激しく打ちながら行進する様子は、言葉にできない激しい感情をぶつけているように見えましたが、整然とした隊列ではなかったと思います。後ろに仰け反ってる少年、前屈みの少女(片腕を“だらん”と下ろしているように見えました)とか、学校で被爆して焼け爛れた姿で“ヒロシマ”を彷徨う中学生を連想しました。


自殺した妻の葬儀を抜け出してきた男性教諭と、教諭を追ってきた教え子たち。妻は何故自殺したのか?路地裏に現われたのは何故か?停電後に戻ってきた理由?
男性教諭と一緒の中学生の「あの路地裏へ戻ってきた」とうい台詞で、この路地裏は架空の世界なのかと思いました。映画『インセプション』の“夢の中の夢”みたいに“路地裏の中の路地裏”みたいな(言いたいことが伝わるだろうか・・・もっといい表現を見つけたら直します。表現能力が低い(泣))


男性教諭の台詞「そこは踏み切りだ。電車が来るぞ!」
舞台横一列に並んで電車が通り過ぎるのを見送ります。停電後(2回目)でレンタルビデオ店の常連客が「母親が乗っている」と、それに対して男性教諭は「君の母親だけじゃない」と返す・・・というやりとりがあったような・・・(蝋燭芝居は眠気で記憶が・・・)

電車は死者が乗っていると解釈。男性教諭が会いたかったのは妻か?亡くした教え子たちか?それとも、全くの見当違いか?
電車を見送る人々の表情が、とても哀しそうに感じました。
そうそう、土砂降りの中でも男性教諭の台詞が聞き取りやすかったです。これって凄い。


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レンタルビデオ店の常連客がちょっと気になります。
店主の“兄さん”は隣接のコインランドリーにいて、店は無人状態。そこへ常連客がやってきて、兄さんにわかるように商品を万引きしようとします(かかえきれずに落としてしまう)。姉さんに常連客の不審行動を指摘されても兄さんは「そういうコミュニケーションは嫌だ」と見て見ぬふり。 ここで笑い。

この常連客、雨宿りに立ち寄った“北の男と女”の親戚たちをもてなしたりして、誰かにかまってもらいたいという、ちょっと子供っぽい寂しさを感じました。
兄さん、いつも大事な問題を後回しにして逃げてきたんだろうなぁ・・・それで最期は刺される人生。

このレンタルビデオ店に数台のテレビ(モニター)が置かれていて、流れているのはAVビデオ。猥雑な雰囲気を出すことと“再会”の為の小道具の役割と思っていましたが、他にも意味があったのかも。今頃になって思い出しましたが、AV以外の映像も流れていたような・・・ そっちが大事だったのかも(悔)

((“再会”を大雑把に説明。
”北の男女”を追ってきた親戚たちが、雨宿りにレンタルビデオ店に立ち寄ります。
先に“北の弟”と会って親戚たちが来ていること知った”北の女”は会いたくないので
コインランドリー店に隠れ、親戚たちはレンタルビデオ店で雨宿り。そのレンタルビデオ店で流れるている映像を見て「ここは嫌だ」と、コインランドリー組とレンタルビデオ組が入れ替わる際に“北の女”は見つかってします。
この入れ替え場面は笑いの場面。地方公演の楽しみの一つ、ご当地ネタは笹団子。
手土産の笹団子がどうのという台詞があった気がしますが、勘違いだったらすみません。))


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蝋燭芝居で眠気が襲ってきたせいもありますが、肝心な北の兄はあまり印象に残らず^^:
ハルキとの刺違いも、瞼に気がいって “観る”だけで精一杯。


蜷川さんは、どーしても“通路芝居”をしないと気がすまないんでしょうか?
“蝋燭芝居”の“通路芝居”で、北の兄とハルキが中央ブロックの客席を挟んで対峙する場面。
こんなに暗くて大丈夫かしらと、余計な心配をしてしまいましたが、段差のない3列目くらいまででしたので心配無用でした。通路に出る必要なかったのでは?舞台は真っ暗だし、バルコニー席の方は舞台を楽しめたのだろうか?(もしも、3Fバルコニー席で観劇された方がいらしたら感想をお聞きしたい)


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ここまで書い今更ですが、“好き”と“嫌い”の“二者択一でしたら“嫌い”なお芝居(演出)でした。
だけど、矛盾してますが観てよかったと思います。
"この席なら”という条件付だけど(しつこすぎますかね?)


スタンディングで拍手を送るか方もいて盛り上がりましたが、私は“雨の中の力演、お疲れさまでした!”の気持ちだけ込めた拍手を送りました。
by k-mia-f | 2011-08-10 20:37 | 演劇