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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

生きものの記録(1955) ~中島喜一~

粗筋・出演者などは ここから→【キネマ旬報DBより】(手抜^^;)



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中島喜一は放射能から避難する目的で、家族全員(妾も含め)全財産を投げてブラジルへ移住しようとしている。
製作年を考慮しても「・・・え?」という感じ(ブラジル移住再開が1953、第五福竜丸被爆が1954)。
家族の説得には全く耳を貸さずに計画を進めていくので、困り果てた家族は家庭裁判所に申立をする。
南米(ブラジル)だから安全というわけではないのに、世界中どこを探してもそんば場所はないのに、喜一はこの時点では気付いていない。

喜一の計画は簡単にいうと「日本に戻りたいブラジル移住者」との土地交換。移住に必要な条件などはさっぱりわからないけれど、家裁で「移住をを検討してみては?」なんて言われるようなしっかりしたもの。幸い(?)、交換希望者もいる。
でも、交換する相手は安全なブラジルから危険な日本にくるわけだよね。自分だけ助かればいいってことになるけど、この時点では喜一は気付いていない。
なんだかんだと言いながら、家裁は家族の申立を正当と判断し、これにより喜一は放射能から逃げる術がなくなる。
それからの喜一の変貌が怖い。何がここまで追い詰めるんだろうと不思議に思う。

喜一は家族全員(妾を含む)を集め、再度移住を説得する。
死ぬのが怖いわけではない。家族が殺されえるのが怖い。
特に、何も知らない小さな子供が殺されるのが怖い。
戦争が始まってからでは間に合わない。
水爆実験の写真が新聞の一面にのる時代、大げさだとは思えない。
最初は何て身勝手な爺さんだろうと思ったけど、家族を守ることしか考えてないのに、理解されないのが不憫に思えてくる。
でも、自分が家族の一員だったろしたら反対する。
どっちにもつけない、すっきりしない気持。
。”正常”と”異常”の境がわからない。 
(オープニングの不気味な音楽はこの気持ちにぴったりだ思う)

思いつめた喜一は自分の工場を放火。工場がなくなれば諦めて移住してくれるとの思いから。
「これから自分たちはどうしたらいいのか?」(注:大体こんな感じ)
工員たちの問いで最後のスイッチが入る。


そりゃ、誰だって怖いさ。私も原発の事故のニュースが流れるとドキッとするし、地震後に刈羽原発から黒煙があがったときは、大事になるのではと不安だったし、でも何か行動するということはない。ついでにいえば廃炉には賛成できない。雇用問題の方が心配だ(東京電力の職員より下請の方が)。大抵の人はこんな感じではと思っているけどどうなんだろう?
この作品を思い出すとそうでない気が少しだけする。





家裁の待合室での喜一がジュースを買うシーンが好き。
「途中のに、帰ったの?」(注:大体こんな感じ)
「帰ったっていいさ。こっちが有利になる」
そこに全員分のジュースを持った喜一があらわれる。
無言で子供達(3人)にジュースを渡す。
子供たちの次に妻に手渡す。
4人から離れた席に座り、喜一は自分の分のジュースをのむ。
喜一の性格が一番でている気がする。




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美容院で読んでいた女性誌で読んだ人気俳優のインタヴュー「演じる役と実年齢の差はせいぜい3~4歳まで」とうようなことを読んで、「三船さんが喜一老を演じたときは30代だったな」と思い出し、ちょっと書いてみようかなという気になりました。
8月に観たい作品の1つでもあるし。
by k-mia-f | 2010-08-17 22:30 | 映画