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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

ござる乃座Vol.41@国立能楽(3/20)

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『成上り(なりあがり)』
太郎冠者:石田幸雄
主:高野和憲  すっぱ:竹山悠樹

『八句連歌(はちくれんが)』
貧者:野村萬斎
何某:野村万作

『牛盗人(うしぬすびと)』
藤吾三郎:野村萬斎
奉行:野村万之介  太郎冠者:深田博治
次郎冠者:月崎晴夫 子:野村裕基


パンフの表紙は『牛盗人』



文楽は好きだけど、公演後は必ず狂言を観たくなります。
「観たくなる」というより「会いたくなる」のほうが近いかな?
狂言キャラに会いたいと思うのです。
2月、3月と文楽公演が続き、「武家の狂言・・」以来の久々の公演、いつもに増して楽しみです。


『成上り』は小名狂言太郎冠者物。
「小名」は「大名」より領地が少ない人を指すようですが、狂言の内容には関係なく、使用人に重点がおかれている曲の分類です。
鞍馬寺へ参籠する主人と太郎冠者。
太郎冠者は主人から預かっていた太刀を睡眠中に青竹にすりかえられてしまいます。
大事な太刀ですから太郎冠者は睡眠中も握りしめていて離そうとしない。すっぱ(詐欺師)は太刀をつ盗るだけだと気づかれそうなので、代わりに青竹を握らせるのです。

起床した主人と太郎冠者、すりかえられた青竹になかなか気付かない太郎冠者が可笑しい^^
手を一度も離していないから盗まれるはずないと思っているし、夜が明けたとはいえ薄暗いから手元が見えてないのかな?
タイトルは太郎冠者の言い訳から。太刀が出世して青竹に?? 
これで納得させるのは無理だろう?
「素直に謝っちゃえば?」なんて思っても言ってはいけませんよ!
本気でそう思っていたのかもしれないんだから(なんて思ってないけど)

太刀を盗んだすっぱを見つけた二人の呑気な捕り物!
ヒントは「泥棒を見て縄を綯う」
(大蔵流は捕り物がないとのこと、見比べてみたい。)
可笑しいというより、この主従関係にほっとするのは文楽の後だから。
主君のために自分の子供を犠牲にする時代物が2本、前の週に観たからばかり。
(昨日の文楽記事に粗筋を追記しました。文楽用語がわかるわかるサイトも貼り付けました。)

**********

『八句連歌』は集狂言友人物・・・と参考本にはありますが私の中では連歌物。
私は脇正面の目付柱よりの席が好みなのですが、この曲のために正面席をとりました。
届いたチケットをみたら、前列だけどワキ柱よりで少しがっかり。
でも、この席からだと揚幕からの出入りがよく観えることを新発見です。
能楽堂の空気と外れ席がないところ、同じ曲でもどこを正面にするかで変わるところが好きです。

昨年の「よこはま万作・萬斎の会」での『箕被』、国立定例能での『富士松』は眠気との闘いでしたが、
今回は楽しむことができました。パンフに連歌が書いてあったのも助かりました。
一応、連歌の内容を調べてから臨んだのですが覚えられなかったので^^;

連歌の応答の隠し意味は借金の期限延長依頼と回答。
最後にシテ・貧者(借主)自分の借金証文を手に入れます。
理由はアド・何某(貸主)が貧者の歌を聞き間違い、勘違いから相手を責めてしまったので、代わりに借金を免除。
金額がどのくらいかは、何に使ったのかとか不明ですが、呑気な話です。
親しい仲でも借りたものを返すのは当然のこと、たかが聞き間違いくらいでここまでしなくてもと思いますが、最近のお金絡みの辛い話を思うとほっとします。

【連歌の応答】

「花盛り御免あれかし松の風」御免=返せなくて御免ね

「桜に為せや雨の浮雲」 為せ=返済しろ!

「幾度も霞に侘びん月の暮」 霞=「貸す身」シテに返せないことを侘びている

「恋責め掛くる入相の鐘」 恋=「請い」 鐘=「金」
(夕暮れに鐘の音をきくと恋心がつのる=侘びはいいから返済して)

「鶏もせめて別れは延べて鳴け」 延べる=期日延長
(朝を告げる鶏も別れの時を惜しんで少しでも遅くないてほしい=返済期日を延ばしてほしい)

「人目洩らさぬ恋の関守」 恋=「請い」 洩らすな=「逃がすな」借金の猶予はない
(恋の関守に秘密を守ってほしい)

「名の立つに使いな付けそ忍び妻」 付けそ=「告げそ」
(世間の評判になるほど使いを付ける)
「いつ自分が世間の評判になるほど催促の使いをを出したんだ(付けそ)!」と立腹の貸主
「え、違いますよ、使いのものが告げたのです(告げそ)」と弁解する借主

「余り慕へば文を取らする」 文=恋文=借金証文

証文を返された太郎冠者もびっくり^^

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『牛盗人』は集狂言親族者、和泉流だけの曲です。
鳥羽の離宮の牛奉行が、牛泥棒の情報料にどんな褒美でもだすというおふれをだしました。
早速子供がやってて犯人を教えます。それによって犯人は捕らえられたのですが、犯人は白をきる。
そこに教えた子供があらわれて、犯人びっくり。
子供は犯人・三郎の息子だったので、三郎は観念し、実父を引き渡した息子の仕打ちに涙を流すします。
三郎を牢屋へいれようとすると、子供が褒美がまだだと訴えます。
子供が望んだ褒美は三郎の釈放です。
子供の真意は実父を助けること。他人の口から父親が犯人であることがわかれば父親は助からない。
これで三郎が更正しなかったら私は許しませんよ!

パンフを読むと、今回の三郎は萬斎さんにとって初役であること、裕基くんが子方を勤められるのもあと2、3年である
ことが書いてありました。
もしかすると、最初で最後の組み合わせになるかも。
もし次があっても、地方在住で土曜が仕事の私には最後かな。

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当日は行きは新幹線、帰りは高速バス。
この組み合わせだと新潟駅まで路線バスを利用するので、自家用車で駅までいくより早く自宅をでなければなりません。で、新幹線で上京するなら1本観ようと7:58発に乗車しようと思ったのに間に合いませんでした。
これといった予定がないので、1本遅らせて乗車時間が短い8:59発の直行便でいこうと朝食を食べにヴィ・ド・フランスへ。パンを選んでいたら思い出した。「8:59発」と「ござる乃座」の組み合わせは縁起が悪い。(気になる方は前の記事へ)持ち帰りに変更して8:23発で東京駅へ。
パンフを開いて、最初に登場する『咲嘩』の公演写真。笑顔の萬斎さんが憎たらしい・・・

帰りのバスは定刻に出発しましたが、越後湯沢で30分遅れのアナウンス。
ETCの一律1000円が昨日から本スタート。
今後はさらに道路が混雑が予想されるので、休日の高速バス利用はどうしようかな。
by k-mia-f | 2009-03-29 22:40 | 能楽