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ほんとはいいたかったこと・・・鈍間雑記

『アラビアのロレンス』 ~英雄?~

「アラビアのロレンス(以下ロレンス)」の初見がいつだったか覚えていませんが、予備知識がない状態で、多分「名作」という理由でお正月休みあたりにレンタルしんじゃないかなと思います。
TVは21型くらいじゃないかなぁ・・・・ 小さい画面でもアリの登場シーンや広大な砂漠、太陽にうっとりしてました。
「ロレンス」は何度もDVDで観てますが、スクリーンは初めてです。
TV画面では感じなかったけど、スクリーンを前に序曲を聴いていると色んなシーンを思い出してドキドキしてきました(上映ギリギリで走ったせいもあるが)。

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「ロレンス」は名シーンといわれるものが多数あります。
最初はマッチの火を消すと赤い空の砂漠に移るシーンでは?
TV画面では「あぁ、なるほどね」という程度でしたが、スクリーンでは自分が砂漠に来ているような、ドアを開けたら砂漠だったみたいな気がしました。
大きなスクリーンに広がる空と砂漠、小さい駱駝と人間、大自然の迫力に呆然としながら、劇場内に広がる音楽にうっとり。

蜃気楼のように現れるアリの登場シーンは緊張感でいっぱい。
TV画面でも緊張するシーンですがスクリーンだと数倍も緊張します。この先がどうなるかわかっているのですが、ガイド(名前忘れた)が身動きできずに近づいてくる人物を見つめていて、その人物の正体がわかるまでの間がすごい。思わず自分も前のめりになって目を細めてしまいました^^;

私が一番すきなのはネフド砂漠を歩くガシムの登場シーンと、ガシムを助け戻ってきたロレンスをダウド(召使になった少年)が出迎えるシーン(二つあるけど”ネフド越え”で一つということで)。
いやぁ~~ すばらしかった~~(感涙)
日の出前でまだ暗い砂漠、難所を越えて一安心のところに主のいない駱駝がテクテク。
「運命などない」といってガシムの救助に向か”オレンス” そこで、そこで、スクレーンがぱっと赤い空と砂漠に変わったと思ったらガシム登場。赤と黒の世界です。日の出前の足取りはしっかりしえます。太陽が顔をだし、広大な砂漠に小さなガシムの長い影。陽が昇り、ガシムの影も短くなってきた。喉がカラカラ、苦しくて真っ直ぐ歩けない。少しでも身を軽くしようと歩きながら装飾品を捨てる・・・・ 

”オレンス”の戻りを待つダウド、遠くに動くものをみつけ、駱駝にのってゆっくり近づく。人影が”オレンス”とわかると駱駝を全速力で走らせる。ここのスピード感がいい!次にカメラが離れれて”オレンス”駱駝とダウド駱駝が小さく映し出されて、何もない真っ直ぐなところで、オレンスはゆっくり、ダウドは速い、出会ったところで止まれずに追い越して、Uターンして一緒になるとこがすき(ちょっと興奮しすぎ)。

そして、この後のガシムとダウドの運命を思うと切ないです・・・・


砂嵐でコンパスを落とし「西へ進めばスエズにでる」といって進むとこもいいですね。
スクリーンのほとんどが空で、下の方に小さく駱駝の3人、地平線の太陽が大きい。

「広い空・広い砂漠・太陽・小さい駱駝」このセットがとにかく好きなんです。
TV画面とスクリーンじゃ全く違うんですよ。観にいってよかった~~。
この辺りまでロレンスは自信家ですよね。
その後の流砂をすぎ、朽ちた家(店?)の向こうにスエズ運河。辿りついたのに、目に力がありません。


観る度に不思議に思うのは、カイロでの報告までは挫折感でいっぱいなのに、そう時間が経っていないバーでは自信をとりもどしてること。
いや、挫折感ではないのか。「殺害を楽しんだ」と告白してるし・・・・ 
ここで頭に浮かぶのがガシムの処刑で何発も撃ち込んだこと。
その後急に我に帰ったかのように拳銃を投捨てる。
それと、後半のダマスカス進軍途中での敗走兵虐殺。
はじめは村人を虐殺したトルコ兵への怒りの方が大きいと思っていたけど、違う観方になってきました。
アウダにアカバへ進軍させるいために金貨を餌にして「楽しみのためならくるだろう」と誘います。ここの「楽しみのため」というのが何か引っかるようになってきました。
マッチの火を指で消す趣味とか、全部後半のガラリと人が変わってしまう伏線のように感じるのです。


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ロレンスは記者のインタヴューで砂漠の魅力について「清潔」を挙げています。
この後の彼の行動を思うと重い言葉です。
この頃はもう自分が汚れていると感じていたのでしょうか?
私は感じてるような気がします。
砂漠は流れた血がすぐに乾いてしまうような、汚した足跡もすぐに新しい(流された)砂が隠してくれるから。
雪も道路の汚いのを隠してくれますが、溶けると汚いものがまた出てきます。
海も綺麗だけど飲み込んだ汚いものを海岸に吐き出します。
砂はどうなんでしょうかね?流砂にのまれたダウドはずっと砂の中からでてこれないのでしょうか?

ロレンスはアカバまでに実戦の経験ってあったんでしょうか?
登場時は地図係りだし、司令官の読み上げた経歴書(?)の内容も地味な資料係に向いてそうだし(ブーツ履いてないし)。

ロレンスはベドウィンがダマスカスを治めることができると本当に思っていたのでしょうか?
首長のアリが読み書きができることを自慢しています。ベドウィンに、水道だの電気だの都市を治めることができると思っていたのでしょうか?


ロレンスの葬儀シーンは初公開時にはありません。
私には大事なシーンに思えるのですが・・・・ 


イギリスとアラブに利用され、夢破れ、帰国するロレンス。
この後の世界を思うと英雄とは呼べない気がします・・・



LAWRENCE OF ARABIA(1962)
監督:デヴィッド・リーン
初公開:1963 207min
完全版公開:1995 227min

今回のリバイバルのパンフは1963公開時の復刻版。
by k-mia-f | 2009-02-03 22:19 | 映画